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その他/指導者紹介/12
Last-modified: 2010-10-03 16:49:26

第十二話「皆のロマーニャ」 †


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全力で走って逃げてきたわけだが…ペリクここどこ?



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イタリア半島南部の都市タレントゥムだ
イタリアとギリシャとはアドリア海を挟んだ隣国になる
タレントゥムは土踏まずからカカトのあたりと言えば分かるだろうか


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俺はヒールの先がいいな
いやなんでもない忘れてくれ



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このタレントゥムはギリシャ人の入植に起源を持つ街だ
このような都市はイタリア半島南部に数多くする
他にはこの頃シチリア島に居たのもギリシャ人だと思ってくれていい


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シチリアというと…あの大きめの島だな
つま先に転がってる岩みたいな



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イタリア半島はこの時期ギリシャの多大な影響を受けている
基本はラテン語だが、知識人の間ではギリシャ語が必修科目
教養あるギリシャ人奴隷は高値で取引され、労働の内容は家庭教師等


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奴隷っつっても力仕事ばっかじゃねぇのな



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時代は少し下ってBC280頃…アレクの死後、約半世紀だな
この頃イタリア半島にも数々の都市国家があった
その中でも特に繁栄していたのがローマ、現在のイタリアの首都だな


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5話見た見た
ルッキーニんとこな



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それはよく分からんが…とりあえず位置的には向う脛のあたりだ
いくつかの都市国家はローマを中心とした同盟を形作っていた



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ギリシャは内乱っつーか都市同士の争いしまくりだったよな



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無論ローマ含めて都市国家間の争いは何度も繰り返されている
それぞれに政治制度も異なる各都市国家は、基本的に互いに独立した存在だ
ただローマ連合としてそれらを束ねるローマのやり方は異質なものだった


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ほほー…江戸幕府代表としては興味あるな



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一言で言うと頑固だな
戦に負けても降伏はしない、勝つまで延々戦い続ける、裏切り者は許さない
約束を破る者も許さない、相手が強かろうが弱かろうが関係ない


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ローマうぜぇwww



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但し味方や奴隷に対しての寛容度は高い
功績のあった同盟市民や元奴隷らに対してもローマの市民権を与えたりする
市民権というのは概ね共和制ローマにおける選挙権と考えてもらっていい


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分かりやすいなー…



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一種の同化政策のようなもので、これは当時異質な考え方だった
例えばアテナイの市民権はアテナイ人同士の子供にしか付与されない
旧態依然とした箱庭的な都市国家観で捉えてもらっていいだろう


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その中で力のある都市が周囲の都市を支配するって感じだよな



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しかしローマは違った
防衛・侵略を繰り返しつつ全てを同化させていく
言わば領域国家のような存在だったんだ


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そういやなんでアレクはローマ攻めなかったの?



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田舎だった…いや田舎とされていたからという理由が適当かな
当時の世界の中心はオリエントにあったからだ
わざわざ海越えてイタリアから先に征服してる暇は無い


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なるほど



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この時期ローマ連合はイタリア半島の各都市国家に対する圧力を強める
強引な手法としては戦争しかけて和平しつつ同盟に組み込んだりな
ただもちろんそれを良しとしない都市国家もある


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大きな軍事力を持たない経済都市は傭兵を雇ってそれに対抗する
ここタレントゥムもそんな街の一つだった
助けを求めた先は戦上手で名高いエピロス王ピュロス


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エピロス…初めて聞く名前だな



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俺の帝国を三分割したうちの一つが、ギリシャを中心としたマケドニアだ
残る二つとの戦いや内乱で、既にいくつか分裂してる
まぁこのへんの都市国家は、元々我の強い連中ばかりだからな


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うわなんかいきなり来た
ってその責任の半分くらいはお前にあるだろw



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その分裂したマケドニアのうちの一つがエピロスだ
エピロス王ピュロスは当時かなり有名な存在だった
既に数多くの戦で名を挙げ、アレクサンドロスの再来と言われている


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ローマvsプチアレクってとこか
プラエvsファランクスならローマの勝ちだが…



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勝ったのはエピロス王ピュロスだった
ローマ連合軍は敗走することになる
この頃プラエは未完成、何よりピュロスの巧みな手腕があった


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アレクの再来と言われるだけのことはあるか



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ピュロスとタレントゥムはローマに講和を申し込む
が、ローマはそれに応じない
翌年再び軍を編成して送ってくる


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やっぱローマうぜぇ



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そしてまたもピュロスの勝利に終わる
ローマはまたも損害を出しつつ敗走する



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ざまぁwww



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だがこの二度の勝利においてピュロスも消耗を強いられる
子飼いの精兵はその数を減らし大事な部下も失った
しかし今回もローマは講和に応じない


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………



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ローマは決して諦めない
三度目の戦いの途中にピュロスはギリシャに戻った
いくら金を積まれても割りに合わない戦いだと悟ったんだな


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ローマ強いんだか弱いんだかわかんねぇな



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偉大なるアレクの覇業を支えた伝統のマケドニアファランクス
ピュロスに負けはしたものの、それに一歩も引けを取ってない
もはやただの田舎者の集団ではなくなっているのだよ


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ピュロスが弱かったわけでもねぇぞ…ギリシャに戻ってからは連戦連勝だ
後の話だがピュロス以外が率いたファランクスに対してはローマ完勝
ローマ重装歩兵は地中海最強の代名詞になっちまう


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この頃から地中海が世界の中心と言えるような舞台になっていく
主役は学問・芸術の都ギリシャではなく新興国ローマ
ローマ連合はゆっくりと、だが着実に地中海沿岸を飲み込んで行く


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最近ギリシャって聞くとなんかこう…キュッってすんだよな
ローマのほうがマシっちゃマシか



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一応言っておくが愛とは必ずしも肉体関係を伴うものではないぞ
ソクラテスにも美青年の誘いを受け流すエピソードがある
スキンシップのみの場合もあるし、そのへんは当時でも人それぞれだ


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現代でもペットに対して飼い主がスキンシップしたりするだろうよ
ついでにバイセクシャル(両性愛)だって点も間違えんなよ
全員がホモセクシャル(同性愛)ならとっくに絶滅してんぞ


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いやペットと一緒にすんなよw



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肉体関係を結んでも子供が出来ない点は共通してるな
男と女、男と男、人とペット…何をもってどこまでを愛とするのかね?
愛とは一体何なのか…どう定義付けられるべきものなのか…


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さすがギリシャ人は屁理屈こねるなー…
要はこれ系のギリシャネタには飽きたってことだよ
やっぱこれからの時代はローマだよな!


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ん?ちゃんと話を聞いていたか?
「ギリシャの多大な影響を受けている」と言っただろう



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ローマ人もですかそうですか…








第十三話「ハンニバル・カーニバル」





コメント †

最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 一にアレク、二にピュロス、そして三は自分だと言い放った男が次回現れるわけですな。でも今日から見ると、彼は一番目には及ばずとも二番目は追い抜けたと何となく思う -- 2010-09-26 (日) 11:52:44
  • ↑見事な読みです 今回新キャラが居ませんが今後数話に連なる話です 中でも彼を引き立てるために差し込みました -- 作者? 2010-09-26 (日) 12:14:15
  • ってタイトルでバレバレじゃねぇか…余談ですが登場する指導者の中で一番好きな人物です -- 作者? 2010-09-26 (日) 12:16:26
  • ↑↑↑↑ティムールェ・・・ -- 2010-09-26 (日) 12:28:09
  • 当時の地中海世界では象さんはありふれた兵器だったから、ピュロス戦争以外で有効に活用された例は探せば結構あるよ。例えばディアドコイ戦争では、アンティゴノスがエウメネス(ヒストリエのあの人)と戦ったとき、騎兵戦力の劣勢をおぎなうため戦象を右翼に集中配備して敵騎兵の迂回攻撃を牽制してる。 -- 2010-09-26 (日) 12:37:36
  • ニュアンスの違いだね、↑の例は知ってたけど↑×6の言い分は「珍しい」であって「唯一」とか「希有」じゃないから、特に反論はしなかった。 -- 2010-09-26 (日) 15:24:32
  • なるほど -- 2010-09-26 (日) 15:41:15
  • 脚の部位で表現できるイタリア半島マジ便利 -- 2010-09-26 (日) 16:11:54
  • ニコニコ動画のスパイ経済の配信で、スパ帝がピュロスの勝利の話をしてたな。 -- 2010-09-26 (日) 21:13:43
  • 誰も聞いてないけど ファランクスってのは基本やたら長い槍を持って密集するもんだけどこの時代のはさらに歩兵の装甲が重装備になってますます重鈍になっていったんだ それに対してローマのプラエはもちろんの軍団兵はまず投槍でひるませてそれから短剣を使った白兵戦に以降するからファランクスの長槍じゃ勝ちようがないんよ -- 2010-09-27 (月) 15:58:45
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