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この記事は、「労働者の作業効率と農奴制」を、速度「迅速」に向けて書き直したものなので、
労働者の仕様や農奴制の厳密な効果など、基本的なことはそちらの記事を参照してください。
あと筆者は基本的に標準速度でしかやらないので、あまり深い考察はできないかも。
難易度「迅速」の場合、地形改善のコストに-33%の補正がかかる。
おおよそ2/3になるわけだね。
これはciv4でお馴染みの累加補正ではなく、累積補正となる。
つまり、まず改善に地形によるコスト補正がかかり、その上で-33%(*0.67)の補正がかかるというわけ。
(例:氾濫原に農場を作る場合、砂漠により+25%、速度により-33%で最終的に-8%、とはならない)
ややこしい話は置いておいて、迅速の場合での各地形改善のコストを以下に示すよ。
整数にならない値に関しては小数点1の位を切り上げている。
実際の計算がどうなっているかは分からないけれど、1未満の不足は1の不足と等価と考えた。
改善名 | コスト![]() ![]() | コスト![]() ![]() (+25%) | コスト![]() (+50%) |
![]() | 134 | 168 | 201 |
![]() ![]() | 201 | 252 | 302 |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 268 | 335 | 402 |
![]() ![]() ![]() ![]() | 335 | 419 | 503 |
![]() ![]() ![]() | 402 | 503 | 603 |
![]() ![]() ![]() | 536 | 670 | 804 |
![]() ![]() | 670 | 837 | 1005 |
※これらの情報は、Beyond The Swords/Assets/XML/Units/CIV4BuildInfos.xml
に記述されている「iTime」の値、
およびBeyond The Swords/Assets/XML/Terrain/CIV4TerrainInfos.xml
に記述されている「iBuildModifier」、
およびBeyond The Swords/Assets/XML/Terrain/CIV4GameSpeedInfo.xmlに記述されている「iImprovementPercent」の値を参照し、計算したものです。
改善名 | コスト![]() ![]() | コスト![]() (+25%) |
![]() ![]() | 469 | 587 |
![]() ![]() ![]() | 536 | 671 |
![]() | 603 | 755 |
![]() | 737 | 922 |
改善名 | コスト![]() |
![]() ![]() ![]() | 536 |
![]() ![]() ![]() | 603 |
![]() | 670 |
![]() | 804 |
![]() | 938 |
さて、上の表を見て、何か気づいたことはないだろうか。
そうだね、端数があまりにも勿体ない結果になっているね。
特にひどいのが、採石場・工房・死の灰の除去のコスト600組。
実質コストは400、砂漠では500なのに、
わずかな端数が必要ターンを増やしてしまっていることが分かる。
600を2/3にすれば400のはずなんだけど、実際の補正は-33%、すなわち0.67倍。
2/3=0.6666666...<0.67になるから、コストは僅かに2/3より大きい。
この僅かな差が、たった2や3の端数を生み出し、必要ターン数を1つ増やしてしまっている。
「迅速は1ターンのユニットの動かし方の重みが大きい」というけれど、その要因の一つが、この仕様なのかもしれないね。*1*2*3
さて、迅速における各地形改善の必要ターン数をまとめてみるよ。
改善名 | 地形 | デフォルト | ![]() or ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() |
![]() | ![]() ![]() | 2 | 1 | 1 |
![]() ![]() | 2 | 2 | 1 | |
![]() | 3 | 2 | 2 | |
![]() ![]() | ![]() ![]() | 3 | 2 | 2 |
![]() ![]() | 3 | 2 | 2 | |
![]() | N/A | 3 | 2 | |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() | 3 | 2 | 2 |
![]() ![]() | 4 | 3 | 2 | |
![]() | 5 | 3 | 3 | |
![]() ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() | 4 | 3 | 2 |
![]() ![]() | 5 | 3 | 3 | |
![]() | 6 | 4 | 3 | |
![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() | 5 | 3 | 3 |
![]() ![]() | 6 | 4 | 3 | |
![]() | 7 | 5 | 4 | |
![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() | 6 | 4 | 3 |
![]() ![]() | 7 | 5 | 4 | |
![]() | 9 | 6 | 5 | |
![]() ![]() | ![]() ![]() | 7 | 5 | 4 |
![]() ![]() | 9 | 6 | 5 | |
![]() | 11 | 7 | 6 |
赤字は別々に改善した場合と比較して1ターン速く改善する
緑字は別々に改善した場合と比較して2ターン速く改善する
改善名 | 地形 | デフォルト | ![]() or ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() | ![]() ![]() | 5 | 4 | 3 |
![]() | 6 | 4 | 3 | |
![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() | 6 | 4 | 3 |
![]() | 7 | 5 | 4 | |
![]() | ![]() ![]() | 7 | 5 | 4 |
![]() | 8 | 6 | 4 | |
![]() | ![]() ![]() | 8 | 5 | 4 |
![]() | 10 | 7 | 5 |
改善名 | 地形 | デフォルト | ![]() or ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() | ![]() | 6 | 4 | 3 |
![]() ![]() ![]() | ![]() | 7 | 5 | 4 |
![]() | ![]() | 7 | 5 | 4 |
![]() | ![]() | 9 | 6 | 5 |
![]() | ![]() | 10 | 7 | 5 |
さて、農奴制導入の恩恵についてまとめてみるよ。
蒸気機関以前でも、農奴制の導入で道路が1ターンで敷ける。
ただし蒸気機関取得と同時に、農奴制なしでも1ターンで敷けるようになる。
工房と水車が2ターン縮む。通常速度とだいたい同じ効果だね。
その他の改善も、おおむね1ターンの短縮は保証される。
効果は総じて微妙。ほとんど1ターンしか縮まないどころか、
1ターンも縮まない改善すら存在する。
蒸気機関以後は労働者の基礎性能が向上することで、相対的に農奴制の効果が落ちる(2.0/1.5≒1.33)上に、
そもそも迅速速度はスケールが小さいので、整数で見ると数値の変化は小さくなる。
コストが安いのを生かして労働者を一杯作ろう。
と冗談はおいといて。
これらを踏まえると、蒸気機関以前の農奴制は、迅速速度では相対的に強い。
何故なら、通常速度とほぼ同じターン数が縮むということは、
1ターンの重みが大きい迅速速度においては、相対的に大きな恩恵になるからだ。
また道路が1ターンで引けるようになるのも大きい。
移動力をアシストする道路の敷設は、長期的に見て労働者の作業効率上昇につながるしね。
逆に蒸気機関以後は微妙といえる。というより、蒸気機関の取得だけで上記の効果が得られるわけだから、労働者は十分に強化される。
いくら1ターンの重みが大きいといっても、1ターンも縮まないのでは何の意味もないね。
結論:迅速速度における農奴制は、蒸気機関取得以前にこそ真価を発揮する。
さて、先ほど「迅速速度では端数が生じる」ということを書いたけれど、
これは二つ以上の改善を連続して行う命令、すなわち、「森林やジャングルに直接改善を建設する」場合の所要ターン数に影響を与える。
これは普通速度でも言えることだけど、
基本的には、別々に処理するより、同時に処理したほうがターン数が縮む傾向にある。
せいぜい1ターンの違いにしかならないけれど、覚えておくと便利かも。
労働者の地形改善建設においては余ったポイントが救済されない。
しかし森林やジャングルに直接地形改善を建設した場合、そのコストは森林・ジャングル伐採のコストに、地形改善のコストを足したものになる。
端数がうまく消化されてくれるかもしれないわけだ。
たとえば農奴制も蒸気機関もない状態で、森丘に鉱山を作る場合を考えてみよう。
森林伐採のコストは201、鉱山建設のコストは268なので、これらをバラバラに処理すると、所要ターンは3+3=6ターン。
しかし一括で処理した場合、合計コストは201+268=469であり、命令は「コスト469の地形改善を1つ建設する」という形で処理される。
この場合必要ターンは5ターンになり、1ターンお得というわけ。
端数が異様に小さい森林・工房(・採石場)は特にこの傾向が強い。覚えておく価値があるかどうかは分からないけど、少しは役に立つかも。
もちろんジャングルだけを先に伐採してパンを1つ増やし、とりあえず市民を配置したり、森林だけを先に伐採して早くハンマーを入れたい場合もあるので、
たった1ターンの差にこだわりすぎず、臨機応変にいこう。
こんな結果になると思っていなくてびっくり。でもデータを見たらその通りだった。
おそらく、ごくわずかな端数のせいで損をしている部分が、少しの補正で大きく改善されるためだと思われ。
計算間違い・データ間違い・さらなる考察などありましたらお気軽にご編集ください。
見やすいように整形して頂いて構いません。
むしろお願いします><