次に紹介するのは私の敵の敵、つまりは味方だな
着々と勢力を広げる覇権国家ローマのもう一つの天敵だ
前回最後の方でガリアという言葉が出てきただろう
ガリアの軽装歩兵…だっけか
締めが近かったからスルーしたが
ガリア地方というのは現在のフランス・ベルギー・スイスあたり
ローマ人にとってガリアは蛮族だらけの無法地帯
そこに居た民族をガリア人と名付けた…が、彼らには別の呼び名がある
ケルト人
俺らのことだな
ローマ人め…蛮族扱いしおって
(いや見るからに蛮族って感じが…)
彼らの起源は現在のフランス北東部あたり
ただこの時期にはヨーロッパ内陸全域に広く分布している
海峡を越えて現在のイギリス、アイルランドにも居たのもケルト人だ
ちなみに俺のブレヌスって名前は称号みたいなもんだ
もっとも大した記録が残っとらんから第○代ブレヌスとかは無いが
私がアルプス越えする際にも彼らには世話になった
イタリアの北に広がる山岳地帯は彼らの居住区域だ
侵略と懐柔を交えて侵攻した結果、私の軍にもガリア人部隊が存在した
勇猛果敢で知られ、カルタゴのように我々を雇った国もある
地中海沿岸との交流や交易が全く無かったわけではない
Civ4の蛮族のイメージそのままで見てもらっては困る!
但し同時期の他の文明とは趣が違うものだ
高い城壁に囲まれて整然とした都市国家を形作ってるわけではない
内陸部に広く、独立した各部族が点在しているようなイメージだ
集落…よく言って小さな街くらいのもんだな
ワハハ、確かに奴らから見りゃ蛮族かもしれねぇ
いずれにせよ地中海沿岸に比べ高度な文明化はされていなかった
しかしいざ戦争となれば両者の装備に大差があるわけではない
地中海最強を誇るローマといえど、彼らは常に背後の脅威となっていた
直接ローマ市内を引っかき回したこともあるぞ
(あるある蛮族無双…速攻メニューに戻るけど)
BC387のアッリアの戦いと呼ばれるものだ
ローマはガリア人の市内への侵入を許してしまった
彼らは略奪・建物の破壊でローマに壊滅的な打撃を与えるのだよ
この打撃からの復興にローマは多くの歳月を必要とした
まず行われたのは城壁の強化だな
セルウィウス城壁と呼ばれるもので、現代にもその遺構が残っている
私がイタリア侵攻した際には堅固なそれが立ちはだかっていた
当時のローマ人の恐れ様が目に浮かぶようではないか
もっともそれがあったせいで私が市内に攻め入る事は出来なかったんだが
以後もイタリア北部に侵入するガリア人にローマは悩まされ続けることになる
同盟都市からの救援要請に応える義務があるからな
対ハンニバルのように指を加えて略奪を見過ごす事も出来ない
(視界に黒い都市圏があると気になってしょうがないよな)
実はギリシャも何度か戦いに敗れて彼らの侵入を許している
いくつかの都市の神殿が彼らの略奪を受けた
その後の抵抗で支配されることこそ免れているが…
占領とか征服とかしねぇのな
俺らが興味あるのはお宝だけよ
奪って壊してサヨウナラだ
(どう見ても蛮族です本当にありがとうございました)
そういうわけで文明として世界史に残した影響はそう大きくはない
しかし彼らがヨーロッパ人の一大源流であることは確かだ
フランク人、現代のフランス人として変質していくことにはなるが
現代でもフランス人は自分たちをケルトの末裔であると称している
彼らにケルト固有の文化は今や見ることは出来ないがな
変質していく過程で固有の文化や言語を失ってしまったんだ
ただこの時期、現在のイギリスやアイルランドに存在したのもケルト人だ
こちらに住んでいたケルトの民を忘れてもらっては困る!
彼女はその「島のケルト人」だな
後にブリテン島はローマ人の侵略を受ける
彼女は部族を取りまとめて戦ったが、あえなく敗れてしまうんだ
私の没年はAD60頃なんだが…
この頃には奴らの手が、遠くこの島にも伸びてきたということだ
吐き気がするほど貪欲な連中だよ全く
しかしローマによる侵略時も、後のアングロサクソン人の侵略時も
イギリスやアイルランドの一部の地域はその支配を免れたんだ
おかげでこのケルトの文化や言語を現代に伝えることになる
はいはいはい
じゃ今回のタイトルになってるあの映画
その通り
格好を見れば想像も付くだろうが、彼らはケルトに連なる一族だ
もっともあの映画の舞台は13世紀だがな
セルティックFCというサッカーチームを知ってるか?
スコットランドプレミアと言われるサッカーリーグのチームだが
はいはいはい
キノコ居たとこな
セルティックはCeltic、文字通り「ケルトの」という意味
自分たちがケルトの末裔であることを現代に誇る名前だ
勇猛果敢で知られるケルト人のごとくあれと願う意味合いもあるな
アイルランド、スコットランドの音楽は現代でも高い評価を受けてるよ
これらには紀元前から脈々と受け継がれるケルトの血が流れてる
癒しブームに乗ってエンヤを聞いた事もあるだろ?
はいはいはい
エンヤ婆の名前のモデルになってるエンヤね
(その発想はおかしいだろう)
第十五話「とあるローマのインなんとか」
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